待ちに待った、北高校の合格発表の日。
私は、友達のY子ちゃんと一緒に、結果を見に行きました。
時間より少し早く学校に着いてしまったので、私たちはドキドキしながら待っていました。
すると、大きな紙が巻かれたものを持った人が現れ、その紙を貼ると、待っていた人たちが一斉に集まりました。
私とY子ちゃんも、合格者の番号が書かれてあるその紙を見て、必死に自分の番号を探しました。
本当に、その時は祈るような気持ちだったと思います。
私の番号は、信じられないことに、そこにありました。
(Y子ちゃんは?)私はY子ちゃんの顔を見ました。
Y子ちゃんは、まだ一生懸命に自分の番号を探しています。
「Hちゃん、ないよ、私の番号、ないよ~」と言い、Y子ちゃんはワッと泣き出してしまいました。
私も悲しくなり、その場で一緒に泣きました。
とても信じられない気持ちでした。
(私よりも、あんなに成績が良くて頑張り屋さんのY子ちゃんが、どうして?)
私はY子ちゃんに、かけてあげる言葉もなく、帰り道も一緒に泣いて途中で別れ、家に帰ってきてしまいました。
泣いて帰ってきた私を見て母は驚き、「あら、あんた落ちたんね?」と言いました。
私は、自分は合格したけど、Y子ちゃんは落ちてしまったということを母に説明しました。
母ももらい泣きしながら、「それは辛かったね」と、なぐさめてくれたのでした。
その日以来、私はY子ちゃんに会っていません。
風のうわさで、Y子ちゃんは1年間がんばって勉強をし、あのレベルの高い、南高校へ合格したことを後で知りました。
きっと今頃は、自分の夢をかなえて、がんばっていることでしょう。
そんなこんなで、いよいよ私の高校生活が始まったのでした。
第29話「高校生活の始まり」へつづく…

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