回想録 第19話「畑へ」

中学2年生になる前の春休み、私は母と、再び「なずな食養庵」を訪れました。

前回の時とは違って、季節は春。

かわいらしくてたくましい野草たちが、たくさん出迎えてくれました。

赤峰さんにも再会し、その後の様子(色んなことがストレスになってしまい、たくさん食べて太ってしまったことや、アトピーの症状も依然として変わらないことなど)を話したり、食事ノートを見てもらったりしました。

「あせらず、一緒にがんばろうな」と励ましてもらい、私はさっそく母と一緒に断食を始めました。

2回目だったので、あまり不安は感じませんでした。

今回は、外が暖かく気持ちが良かったので、よく散歩に出かけ、赤峰さんの畑仕事をのぞきに行きました。

畑には、野菜と一緒にたくさんの草が生えていました。

赤峰さんは、「生きた土の中には昆虫やカビ、微生物が無数に生活していなければならんのよ。一種たりとも無駄な草はないし、無駄なカビも存在しない。一匹たりとも無駄な虫はおらんのよなぁ。彼らがいてくれるおかげで、命に充ちた土となる。僕は、そんな素晴らしい虫たちを、神虫さん、草たちを神草さんと呼んどるんよ」

とニコニコしながら教えてくれました。

(いつも食べさせてもらってる完全無農薬のお米やお野菜たちは、ここでこんな風に育ってるんやなぁ)と、私は改めて感動しました。

それから、周りに生えている野草の名前を教えてくれました。私はつくしやすぎな、よもぎ、からすのえんどう、なずなは知っていましたが、のびる、すいば、せり、はこべは、実際に生えているところを見たことがありませんでした。

土は、大量のカルシウムを必要としていて、このカルシウムを集めてくれるのが草なのだそうです。赤峰さんの畑には、カルシウムたっぷりの草が生えているので、そこはとても豊かな土なのだ、ということが分かりました。

「断食が終わったら、野草を料理してたくさん食べような」と赤峰さんは言いました。

そして次の日。

今度は、ヴァイオリンの練習をしようと、私は楽器と楽譜、譜面台を持って畑へ行きました。

いきなり、え⁉ヴァイオリン?とおどろかれた方もいらっしゃるかも知れませんが、私は8才のころからヴァイオリンを習っていて、今回は楽器の練習もしたいと思って持ってきていました。

「うちの子がヴァイオリンなんて・・・」と1度は反対されたのですが、私の「やってみたい!」という思いに両親は折れて、なんとか続けさせてくれていました。

当時の「なずな食養庵」には、皆で過ごす大広間が1室しか無かったため、その部屋で練習をするのはちょっと気が引けました。

そこで、私は気持ちの良い外で、練習をすることにしたのでした。

第20話「私とヴァイオリン」へつづく…

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