私がヴァイオリンを習い始めたのは、小学2年生の頃。
始めた時期は、確かに遅かったのかも知れません。
ただ、一番良くなかったことは、自分で鳴らす音をドレミの音の高さで認識せずに、指番号(例えばシの音は1の指、ドの音は2の指、レの音は3の指という風に)で覚えていったことでした。
ヴァイオリンは、楽譜が読めなくても簡単な譜面であれば、楽譜に書いてある指番号を見ながら、少しずつ弾けるようになっていきます。
でもそのやり方では、自分が実際に何の音を出しているのか全く意識せずに演奏していることになります。
また、私の場合、新しい曲を譜読みする(楽譜を読んで練習をする)時は、必ずその曲のCDなどを聴いて、曲を覚えてからでないと、弾けるようになりませんでしたし、暗譜(楽譜を見ずに曲を全て覚えて弾くこと)もかなり時間がかかりました。
指の動きだけを頼りに演奏しているのですから、よっぽど沢山の練習を積み重ねていないと、本番の緊張によって音が抜けたり、音楽が止まりそうになったりするのです。
そしてそれは、とても怖いことでした。
第30話「高校の勉強と音楽」でもちらっと書きましたが、私は聴音の訓練も、大変苦労しました。
先生がピアノで弾いている音が何の音なのか分かったらどんなに良いだろう、と何度も思いました。
幼い頃から正しい方法で良い習慣を身につける、ということは、とても大切なことだと思います。
音名が分からないまま育ってしまったこと、私はそのことに、高校生になるまで気づいていませんでした。
現在では、私はなるべく一つ一つの音を読み、音程を意識しながら弾くようにしていますが、今だに指番号読みが先行してしまい、なかなか思い通りにはいきません。
そのような不便なことにならないよう、私の娘たちには音程をしっかり意識させてヴァイオリンを弾く練習をさせてみたのです。
少し時間はかかりましたが、今では、彼女たちには音程が分かる力が身に付き、音楽を聴くとその曲をドレミ~で歌えることができるようになりました。
私にとっては、大変うらやましい能力です。
彼女たちも、その能力を生かしながら、もっとヴァイオリンの練習に励んでくれれば、どんどん上手になれるのになぁと思っているところなのですが・・・。
さて、高校生の頃の私は学校の課題も何とかこなしつつ、ヴァイオリンとピアノの練習を続けていきました。
学校の音楽の先生の進めで、高校文化連盟が主宰する、県の音楽コンクールに出場しました。
先生からは、「音大を受験するなら、コンクールに出た方が良いわよ。そのためにたくさん練習するでしょ?そうしたら上手になるからね」と言われていました。
結果は1位ではありませんでしたが、何とか優秀賞をいただくことができました。
コンクールのための練習はとても大変でしたが、この体験により、私はヴァイオリンに対する自信をほんの少しだけ持てるようになりました。
今考えると、私のヴァイオリンの技術など、本当にまだまだ未熟なものでしたが(そして現在でさえも同じ思いですが)、その当時、私の狭い世界の中では、少しは上手になったと、嬉しい気持ちを持っていたと思います。
そして、高校3年生。
いよいよ、音大受験という、私にとって大変大きな節目が迫ってきていました。(つづく…)

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